3分間の体験(円空)
いろは坂の若葉は靄に閉ざされ、中禅寺湖では靄の中に小舟が浮いていた。
以前、古川・国府の清峰寺で円空仏を息のかかる近さで拝したことはあったが、
今日の円空仏との出逢いには予想だにしなかった感謝と動揺があった。
清龍寺にて、不動明王、矜羯羅童子(こんがらどうじ)、制咤迦童子(せいたか
どうじ)(“咤”は“宀”を抜いた字)に拝する貴重な機会をいただいた。
三仏を囲むようにして、山田先生のお話をお聞きしながら身を乗り出し拝して
いたが、問題はその後だった。一人ずつ、3分間の撮影時間が与えられた。
自分は何をしたいのだろう。
撮影する他に、もっとしたいことがあるだろう。
手で触ったり、持ってもみたいだろう。
・・・
パニックしているうち、自分だけの3分間が近づいた。
顔は、手や足は、裏側からは・・・
結局、三仏の周りをカメラで追っかけて、終わった。
この三仏は見事でした。
木を生かし、自由に刻んでいる姿が浮かび、刀の動きが伝わってくるような
感動を覚えました。
このような時を与えてくれましたご住職はじめ皆様に深く感謝致します。
(2006年4月)
清峰寺のおばあさんへ
古川・無水亭を再び訪れたのは5年前か
宮川に流れ込む国分寺を対岸にみる古宿、朴葉味噌の芳ばしさ
神戸から嫁いだという女将の、丸顔に切れ長の眼が微笑んだ時の菩薩の顔
われら河原乞食たちは、毎年春、酒蔵を訪れ、地酒と地の漬物などを入手し、
河原に車座になり、飲み、歌い、踊る
安曇より安房峠を経て平湯に出、国府に向かう
国府町鶴巣の安房山清峰寺は今日の、そして永年の願い
石段を登ると、檜林に囲まれた境内の入口に御堂がある
龍頭観世音菩薩
十一面千手観世音菩薩
聖観世音菩薩
の三空仏に出逢う
いつしか夕暮れて、私の隣りには寺守のおばあさんがいる
円空さんが好きなんでしょうなぁ、とつぶやく
今どんな余生を送っているとか、次は誰が三空仏をみてくれるのか、
あんた、いずれこっちに来なされ、など
仲間はすでに、坂下で、無水亭へ早く行こうと待っていた
円空さんにチョットでも近づけたら、どうなるのかな、
なんて、おばあさんの話につられた感じ
自分で“彫る”実感がわいたら、知らせてみたい気もしている
(平成17年の夏より「円空一刀彫講座」を受講中)
(2006年4月)
宮川に流れ込む国分寺を対岸にみる古宿、朴葉味噌の芳ばしさ
神戸から嫁いだという女将の、丸顔に切れ長の眼が微笑んだ時の菩薩の顔
われら河原乞食たちは、毎年春、酒蔵を訪れ、地酒と地の漬物などを入手し、
河原に車座になり、飲み、歌い、踊る
安曇より安房峠を経て平湯に出、国府に向かう
国府町鶴巣の安房山清峰寺は今日の、そして永年の願い
石段を登ると、檜林に囲まれた境内の入口に御堂がある
龍頭観世音菩薩
十一面千手観世音菩薩
聖観世音菩薩
の三空仏に出逢う
いつしか夕暮れて、私の隣りには寺守のおばあさんがいる
円空さんが好きなんでしょうなぁ、とつぶやく
今どんな余生を送っているとか、次は誰が三空仏をみてくれるのか、
あんた、いずれこっちに来なされ、など
仲間はすでに、坂下で、無水亭へ早く行こうと待っていた
円空さんにチョットでも近づけたら、どうなるのかな、
なんて、おばあさんの話につられた感じ
自分で“彫る”実感がわいたら、知らせてみたい気もしている
(平成17年の夏より「円空一刀彫講座」を受講中)
(2006年4月)